「 それじゃバイトに行ってくるね。 」
息子はそう言って家を出ていきました。
私は振り返り、”おう、そうかぁ、行っておいで”と送り出しました。
ところが、息子はバイトに行く事は無く、行方をくらませたのでした。
バイトは午後4時ころまでだと聞いていたので、5時には帰ってくると思っていたのですが、日が暮れても戻る気配がありません。
変だと思い、7時頃、私はバイト先のコンビニに電話をしたのでした。
息子のバイト先にそれまで電話したことなどありませんでしたので、電話番号が分かりませんでした。でも、ネットで調べて電話をすると意外なことを聞かされました。
「 そんな人、働いていないですよ。 」
私は何度も息子の名前を言ったのですが、スタッフにはその様な人はいないというのです。
この時点で私は初めて息子が家出をしたのを知ったのでした。
” でも、どうして? ”
” バイト先では息子を知らないとはいったい ・・・ ”
分からないことだらけなのだけれど、その時、まずやるべき事はバイト先のコンビニに行って、もっと詳しい話を聞くことです。
それで慌ててコンビニを訪ねました。
そして分かったことは、確かに春休み3月までは息子はそこでバイトをしていたのでした。
ところが、自分から新年度4月からはバイトを辞めたのだとか。店長は引き続き働いて欲しいと言ったのだが、本人が固辞したのだとか。
しかし、私や妻にはバイトに行っていると嘘をついていたのでした。
でも、どうしてそんなことで嘘をついていたのか?
実は息子は多くの嘘をついていたのでした。
家出息子捜索日記
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- 再び嘘をつかなければならなくなった息子
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- 失踪8日目に、息子へ送ったメール
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